作成日: 10/05/07
修正日: 10/10/29
想像力のベースにあるもの
自然科学の知識と他の分野との連携が必要だと思う
放射線損傷のための線量計測のお話しね。
確かに生体影響以外に機械にも影響が出そうね。
「加重線量」とあるのは、指標を一つに統合しようということかしら。
影響の与え方が多様だから、指標を一つにするのは難しい気がする。
分野ごとに“荷重線量”を導入するように放射線安全管理屋が提案してはどうかという提案であるそうです。
具体的には、材料工学の分野ではつい先ほどまで、中性子の線量の表現法として、time integrated neutron fluxを特に単位を明示することなく使っていたけど、それが適切ではないということだそうです。
「材料の放射線損傷は核子放射線が大きく寄与するが、光子線もエネルギーを付与された電子を介して損傷を引き起こすので、働きを侮ってはいけない。」というメッセージをこのコラムで読み取れる人は少ないように思う。
発電用原子炉の耐用年数への言及があるけど、放射線でどのような影響を受けるのかしら。
人工衛星で使う機材の宇宙線損傷は眼にした人も多いと思う。
他には放射線はラジカルを形成するので、空気中でオゾンを生成し窒素酸化物を作る。
このため、室内の部品を腐食させる例がある。
放射線利用技術データベースと同じく四本圭一さんが、Isotope News のNo.653(2008年9月号)に「オペレーターの心得?」として書かれていたものね。
X線室でオゾン臭がするってよく聞くけど、安全なのかしら。
計算してみたらよいのじゃないかな。
単位エネルギーでどの程度のオゾンができるのかしら?
オゾンのG値は、
6 molecule/100 eV
7.4-10.3 molecules / 100e V
とあるから、線量にオゾンの分解時間や換気による希釈を考慮すると、放射線診療室のオゾン濃度を推計することができそうだ。
医療機器の添付文書にはどう書いてあるのかしら。
添付文書の例
Clinacの電子線、あるいはX線ビームと空気との相互作用によるオゾン、および窒素酸化物の発生は、通常高線量率で長時間照射されない限り無視してもかまいません。
その高放射化による熱量と化学反応によるオゾン・ガスは、この相互作用により作られるガスの中で最も有毒なものです。
純粋のオゾンは、特徴のある清涼な、鋭い臭気をもつ不安定で、かすかに青みがかったガスです。
通常の人なら、0.1 ppmの一般に認められた制限値におよそ等しい濃度のオゾンを感じとることができます。
オゾンは呼吸器系に影響を及ぼし、目と全ての粘膜を刺激させます。
高いオゾン濃度は、可燃性材料の反応を高めます。
もしオゾンが発見されたならば、すぐにClinacを停止し、治療室から出てください。
治療室に再び入る前に、換気扇で十分に時間をかけてガスを排出してください。
サービス要員が室内の換気をチェックして、装置の動作状態を確認するまで、Clinacを再び操作しないでください。
臭いで判断するということね。
でも嗅覚は低下しそう。
放射線安全管理のプロを自任するのであれば、それでも問題ないことを証明することが求められそうだ。
明らかに問題がないものとそうでないものをセンスよくわけることが必要ね。
参考
放射線施設で生成されるオゾンは安全ですか?
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